住吉の金山踊り
- 種別
- 無形民俗文化財
- 内容
- 民俗芸能
- 員数
- 1
- 寸法
- -
- 製作年
- 江戸時代
- 所在地
- 姶良市住吉
- 所蔵者
- 住吉金山踊保存会
- 管理者
- 住吉金山踊保存会
- 指定年
- 昭和51年7月
- 解説
姶良町の西端にある住吉池は、火山の爆発によってできた火口湖であり、四季を通じて釣人や行楽客に親しまれている。住吉地区はこの池の南側に広がる一帯である。金山踊りの由来は約270年前、摂津の国住吉神社の祭司であった金山右エ門尉昌兼が当時の住吉村に逗留していた時、藩主島津吉貴公が霧島神宮改築の上棟式に当たり金山氏を呼び奉納させたのが始まりとされ、住吉神社では、五穀豊穣と牛馬の無病息災を祈願して代々奉納されてきた。踊り子の衣装は、顔に化粧をして鼻筋を通し、衣装には白地に赤い縦縞の浴衣と絣を着る。絣はもろ服に脱ぎ、赤と黄色の帯を締め、残りによりをかけて帯の間にはさみ、腰には飾りのついた十手を差し、足には黒脚絆、ワラジといういで立ちである。右手には錫杖、左手には太刀をもつ。踊りはタテ2列になり、歌に合わせて錫杖と太刀を振りながら踊る。錫杖の頭部についている金輪が揺れて、シャラン、シャランと鳴り響く。途中「インヤサア、サノヨイヨイ」とか「焼野の小屋がけ、西瓜の番かい」などのハヤシを威勢よくかける。歌詞は、棒踊り唄とほとんど同じで「おせろが山で、前は大川」「山太郎ガネは、川の瀬に住む。」とやや長く歌う。打ち振られる錫杖からは、金輪な音が鳴り響く。この音は、悪魔や邪気をはらうといわれている。金山踊りは、鶴田町や宮之城町など北薩地方に多く分布し、場所によっては錫杖踊りとも呼ばれている。踊りは普通2回くり返して踊られ、合間に「べぶ踊り」といわれる「お田植え」の野外劇がある。